[INTC]インテル、Optaneでメモリ分野へ再参入

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半導体大手のインテル(INTC)が新しい技術を引っさげてメモリ分野へ再参入しています。再参入という表現が正しいかはまあ別として、CPU以外で大きな規模を持つメモリ分野で存在感を発揮できるのか楽しみではあります。

Optaneはインテルの新しい柱となれるのか?

インテルがライバル企業の地元で製品に関連するイベントを行いました。韓国で行うという必然性があまり感じられずライバルを意識した強気姿勢で、もしかするとチャンスと見ているのかもしれません。発表された製品ロードマップはOptaneと呼ばれる半導体に関してです。

Intel、Optaneメモリのロードマップを更新
~ニューメキシコの工場にOptaneラインを追加

笠原 一輝 2019年9月26日 11:00

Intelは、9月26日に韓国ソウル市において同社のストレージ製品に関するイベント「Memory & Storage Day 2019」を開催しており、同社のSCM(Storage Class Memory、よりDRAMに近い性能を持つストレージ)製品となるOptaneのロードマップなどに関して発表を行なった。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1209204.html

いくつかのメディアで報道されていましたが、韓国ソウルでメモリに関連するイベントを開催しています。韓国とメモリというワードから、メモリ大手である韓国のサムスンとSKという企業を意識しているものと思われます。現在日韓間で輸出管理の厳格化と言われる対応の中で半導体製造に必須と言われるフッ化水素の韓国向け輸出が認められていない状況があることも関連しているかもしれません。

今回発表されたOptaneのロードマップは元々マイクロンと共同開発していたものです。現在その共同作業は終了しています。これはインテルとマイクロンが同技術を用いて目指す方向性が違ったためだと言われています。OptaneはDRAMとHDDあるいはSSDの間に位置する半導体で、インテルの開発した3DXpoint technologyが使われています。DRAM並の高速アクセスが可能で、且つ電源を落としてもその内容を維持できることから、高速化を体感できるレベルで使用感を向上させることができるようです。すでに製品としては出回っており、ユーザレビューなどもあるので実際の使用感は調べれば出てきます。使い方によっては数十倍の高速化が可能となるようで、最近の技術進歩としては画期的といえるレベルでしょう。

メモリ分野の売上規模は? ニッチ市場であるわけがない

下表は2019年の半導体販売額ですが、一番上のDRAM部分がOptaneがターゲットにする市場と考えられます。前年から37.6%という大幅減です。半導体不況とかシリコンサイクルという言葉で現在の不振が報道されています。あとはインテルの最新CPUの販売が遅れに遅れたためニューモデルが出せず、結果大容量DRAMの行き場がなくなったとも言われています。

IC製品のカテゴリー別売上高と出荷台数の予測(クリックで拡大)出典:IC Insights

世界での販売額は不況期と呼ばれてもCPUの販売額を凌いでいます。その額620億ドル。CPUが524億ドルで、インテル自身の売上は全体でおよそ708億ドル、これはIoTやメモリ、データセンターを含めたセグメント全てです。Optaneでメモリ分野をどれくらい拡大できるのか分かりませんが、市場規模をみると多少かじれればそれなりの規模になっていきそうです。さらに今メモリ業界の大手2社が製造に必須のフッ化水素の入手に不安が出ています。共同開発相手だったアメリカのマイクロンもいますが、技術革新があまりなかった分野でありうまく需要が取り込めれば非常に有望と思われます。

上図は2018年の半導体メーカーの売上高ランキングです。インテルは2位。1位と3位の韓国勢がDRAMメモリとNANDメモリを主力としています。二社で1000億ドル以上。それ以外で有力なメモリメーカーというとマイクロン、ランキングには出てきませんが旧東芝あたりでしょうか。そして中華メーカーがDRAMメモリに参入してくる可能性が高いです。中国のコスト競争力というのは日米では対抗が難しいレベルですので品質次第では十分ライバルになりえます。OptaneがDRAMメモリを完全に置き換えることが出来るかというと100%置換というたぐいのものではないと考えます。競合企業は多いですが、それでも1000億ドルの市場は十分魅力的と思います。

Optaneメモリ導入シナリオ

Optaneメモリは現時点では導入できるモデルが限られます。しかしサーバ分野のXeonや今後販売されるi9などは対応していると思われます。(実際にはCPUではなくマザーボード次第か)そしてサーバ導入においてDRAMを使うか半分Optaneを導入するかをインテルは営業できます。サーバであれば処理の高速化を目的に、PCであればゲームなど高負荷の処理を行うヘビーユーザ向けならばキャンペーンもやりやすいと思い増す。さらにDRAMを扱っていないインテルは置き換えるにあたってデメリットがありません。サーバベンダーも同様でどっちのメモリでも売れれば良いでしょう。これがマイクロンであれば自社製DRAMもあるためどちらがメリットがあるのか判断する必要があります。この点も含めOptaneメモリが思いのほか順調に導入される可能性があるとの記事になっていました。

英語でごめんなさい。

Why Micron fears Optane will eat its server DRAM lunch – Blocks and Files
The pricing of Optane memory, also called 3D XPoint, will cannibalise some DRAM sales and this could give Micron a big headache.  “The revenues of 3D XPoint mem...

パソコンメーカによっては、Optaneのアップグレードをオプションとして提供しているところもあります。サーバだけでなくPCゲームの高速化など役立つ場面もいくつも想定できるので期待したいと思います。

生産設備への投資コントロールが鍵

日本の東芝がメモリ事業をやむなく売却しましたが、需要はあるし、元々利益率の高い儲けられる事業ではあると思います。ただ製造設備をはじめとする投資額が大きく、需要を見誤ると一気に詰むなどと言われていました。
インテルはニューメキシコの工場で生産を行うようですが、元々生産管理はインテルの強みです。さらに今回はコスト競争ではなく、新技術で開拓しようとしているので、思いのほか勝算はあると思います。

まとめ

  • Optaneメモリは高速化を目的にサーバ分野、PC分野においてDRAMの半分を置き換える可能性がある
  • DRAM市場は大きく、主要プレイヤーである韓国系二社に問題がある
  • 価格競争ではなく新技術で参入を図っており、費用対効果も高そう

インテル関連のニュースというのはやはりCPUとデータセンタ、AIとIoTといったところに偏りがちです。AIやIoTなど競争が激しい分野も大切です。ですが意外な伏兵となりそうなメモリのニュース!しばらく気にして、見ていきたいと思います。

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