[INTC]Intel、モデム事業をAppleに売る!など

投資全般
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保有しているIntelでやっと動きが出てきたので整理しておきます。7月後半からの動きはポジティブに考えています。特に性能面で突出できないスマートフォンモデムが整理できたことは大きいと思います。

Bruno Glätsch(Pixabay

Intel、モデム事業をAppleに売る

7月25日にAppleはIntelのスマートフォンモデム事業を買収することで合意したと発表しました。買収総額は公表されていませんが、10億ドル超とも言われています。
モデム事業の売却に関しては、AppleとQualcommの間の係争が終結した折、Intelがスマホ向け5Gモデムからの撤退を表明するという突然の発表から始まっています。元々モデム事業は期待に反して伸びておらず性能面でも Qualcommを超えられない状況でした。これはiphoneに搭載されていたことから撤退は出来なかったのかもしれないです。Apple- Qualcommの係争解決に伴い、ネットワークチップは Qualcomm製が採用される見通しで、Intelは撤退を決断しました。ここでAppleが、Intelにとっては不採算だった撤退する事業部門を買い取ってくれるというのはずいぶん気前がいい話に聞こえます。なお撤退、事業売却はスマートフォンモデム事業であり、 PC、IoT、自動運転など他の5G関連ビジネスは今後も推進するものと見られます。手放すのはあくまでスマホ向けです。
Intelは撤退に伴う費用も不要でAppleからお金も入ります。スマホモデム限定とはいえ、人員だけでなく特許も譲渡されますのでこれが今後のIoTなど他の5G関連ビジネスに影響しないのか心配です。(けどそんなこと確認済なんだから心配するほどのことでもないか・・・)

Intel、10nmの夢を叶えるも投資目線では微妙?

度重なる販売延期から、去る8月1日にIntelから10nmプロセスルール採用の最新チップIcelakeが販売されました。1年近い遅れでこの間ライバルAMDはRyzenという高性能チップを販売しています。Icelake発売はCPU単独の性能面ではたぶん負けですが、10nmを達成したことと性能以外の部分で一定の評価は得るものと思います。

  • グラフィック性能の向上
  • ディープラーニング特化回路の内蔵

なおAMDのRyzenを製造する台湾のTSMCのプロセスルールは7nmで、Intelは10nmです。Intelが持つ優位性の中でも重要度の高いプロセスルールでより高い技術を提供されてしまっています。
少々専門的になります。TSMC7nmとIntel10nmですが、実態としてはほぼ同程度か、若干Intelの勝ち。なぜかというと 当初発表時の数字ですが

メーカープロセスゲートピッチメタルピッチ
インテル10nm54nm36nm
TSMC7nm54nm40nm

プロセスは配線幅、ゲートピッチとメタルピッチは配線同士の距離と考えてください。Intelの10nmのほうが、実際にはTSMCの7nmより密度が上がり、難易度も高くなります。TSMCは配線幅を7nmにすることで半導体の集積密度を一定程度上げることは出来ているが難易度の高い密度を上げる部分はそれほどリスクを負っていないことが分かります。TSMCとするとIntelを超えたという宣伝が使える方が配線密度を高めるより重要なのだと思う。Intelは勝って当たり前なのでその宣伝は使えない。こうしてみるとリスクを抑えた堅実な手法に見えます。むろんAMDお抱えのグローバルファウンドリーズは7nmの開発を中止しているくらいなのでTSMCが高い生産技術を持っていることは間違いないです。そこにTSMCとAMDにとってはインテルを超えたというキャッチコピーがあり、数字のインパクトとして宣伝しやすいことは間違いないため、今後Intelは生産工程のさらなる向上をアピールする必要があります。

Intel、投資家に報いるためそろそろケラーを使え

昨年突然CEOのクビが飛んでから、迷走気味だったIntelですが、ここに来て落ち着いてきた気がします。スマホモデム、ネットワークチップと呼ばれるものですが、芽が出ない状態が長く続いていたのですっきりすると思います。株主としては10nmでの製造が安定して来年2020年後半あたりにはジム・ケラー設計モデルを期待しています。

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