受取配当の2019年分を整理してグラフにしてみました。
くわしくはこちら↓。
毎年少しずつ受け取る配当が増えていくのはとっても楽しいです。貯金好きな人が通帳の残高見るのが楽しいって聞くじゃないですか。多分、それに近いと思います。
先日ちょっとだけ触れましたが、配当貰うだけなら全額をiシェアーズ優先株式&インカム証券ETFのPFFにしても良いと思います。値動きは少なく、高配当です。ですが私は今PFFの割合は抑えて、個別株に投資しています。
この理由は配当の成長の有無にあります。私の投資の基本戦略はバイアンドホールド。いつかは株の配当で生活したいと思っています。ですので今の配当も大切ですが、同じくらい20年後の配当の受取額も大切と考えています。
長期投資に大切な配当と人気ETFでもPFFでは難しいこと
コツコツと少額ですが個別株を買い続けています。この原資はいわゆるニューマネーと保有株からいただく配当です。受け取った配当は、基本的に全額再投資(時々無駄遣い)に回っています。ですので大きな無駄遣いをしなければ、年収の1割程度は何もしなくても株に回すことが出来ています。(給料あがると良いなぁ。)
これを継続することで株数が増えていきます。減配がなければ毎年少しずつ配当受取額を増やすことが出来ます。当たり前ですね。今日はさらにこれ以外にも配当を増やす方法のお話です。魔法のようなお話ではなく、それは企業の利益が増えることによる株主還元の増大です。
企業は自社の成長のための投資以外に利益の中から株主へ利益を還元します。その方法は主に二つ。自社株買いをするか配当を出すかです。もちろんアマゾンやグーグルのように、配当を出さず自社の成長につぎ込んだ方が、株価が上昇しより株主に報いることが出来ると考える企業があることも事実ですが、そんなケースは今回除外します。
配当の増額は文字通りそのままの意味です。
自社株買いは自社の株を買い取ることで株数を減らします。自社株買いは株価を支え、場合によっては上げ、企業の一株あたり利益を増やします。企業の一株あたり利益をEPSと呼びますがこれは以下の式で。
EPS=純利益/発行済株式数
この分母が減ることでEPSが増えることになります。純利益は変わらないから見た目だけじゃん?と思われそうですが、企業のPERがかわらなければ株価=PER×EPSですのでEPSの増加は株価の上昇に寄与します。
続いて一株あたり配当はBPSと呼ばれます。そしてEPSのうちどの程度を配当に回すかその割合を配当性向と言います。配当性向がかわらなければBPS=EPS×配当性向ですのでEPSの増加により配当は増加します。
PERは市場が決めるものですし、配当性向はずっとかわらないものでもありません。ですが自社株買いをすることで株価と配当双方に良い結果をもたらす可能性があります。
アメリカ企業に集中投資している理由の1つがこれです。アメリカには連続増配株や配当貴族、配当王などと呼ばれる銘柄があります。持続的に企業の利益を増大し、それを株主に還元していく、その還元方法のひとつが配当を出すこという考えがあるからなのだと思います。そして自社株買いに積極的な企業も多いです。自社株買いは不確定要素もありますが税金の面では優位性があります。あとは株主還元が重視されているためか安易に減配しないということもあります。
連続増配銘柄という優良株リスト
連続増配銘柄は長期投資やアメリカ株ブログではお馴染みです。主要なものだけですが上げておきます。
ティッカー | 名称 | 増配年数 | 配当利回り | 配当 | 株価 |
DOV | ドーバー | 63 | 1.7 | 1.96 | 115.78 |
GPC | ジェニュイン・パーツ | 62 | 2.87 | 3.05 | 104.31 |
PG | プロクター・アンド・ギャンブル | 62 | 2.39 | 2.98 | 122.58 |
PH | パーカー・ハネフィン | 62 | 1.71 | 3.52 | 206.82 |
EMR | エマソン・エレクトリック | 61 | 2.62 | 2 | 76.42 |
MMM | スリーエム | 60 | 3.26 | 5.76 | 178.45 |
CINF | シンシナティ・ファイナンシャル | 58 | 2.13 | 2.24 | 106.5 |
LOW | ロウズ | 56 | 1.84 | 2.2 | 119.6 |
KO | コカ・コーラ | 56 | 2.89 | 1.6 | 54.69 |
JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 56 | 2.61 | 3.8 | 144.28 |
CL | コルゲート・パルモリーブ | 55 | 2.5 | 1.72 | 68.02 |
HRL | ホーメル・フーズ | 52 | 2.06 | 0.93 | 44.25 |
TGT | ターゲット | 51 | 2.06 | 2.64 | 124.76 |
SWK | スタンレー・ブラック・ アンド・デッカー | 51 | 1.67 | 2.76 | 167.12 |
FRT | フェデラル・リアルティ・ インベストメント・トラスト | 51 | 3.26 | 4.2 | 126.14 |
MO | アルトリア・グループ | 49 | 6.73 | 3.36 | 49.63 |
SYY | シスコ | 48 | 2.1 | 1.8 | 84.35 |
PPG | PPGインダストリーズ | 47 | 1.53 | 2.04 | 129.69 |
GWW | W.W.グレインジャー | 47 | 1.7 | 5.76 | 340.66 |
LEG | レゲット・アンド・プラット | 47 | 3.15 | 1.6 | 49.78 |
保有株の配当はどうなっている?
連続増配株の中ではコカコーラ(KO)とアルトリア・グループ(MO)を保有しています。保有割合の大きいインテル(INTC)とPFFも合わせて配当の推移を確認してみます。
MO | KO | INTC | PFF | |
2019 | 3.280 | 1.600 | 1.260 | 1.996 |
2018 | 3.000 | 1.560 | 1.200 | 2.161 |
2017 | 2.540 | 1.480 | 1.092 | 2.129 |
2016 | 2.350 | 1.400 | 1.040 | 2.178 |
2015 | 2.170 | 1.320 | 0.960 | 2.240 |
2014 | 2.000 | 1.220 | 0.900 | 2.493 |
2013 | 1.840 | 1.120 | 0.900 | 2.434 |
2012 | 1.700 | 1.530 | 0.870 | 2.356 |
2011 | 1.580 | 1.880 | 0.782 | 2.486 |
アルトリア・グループ(MO)、コカコーラ(KO)は毎年8%前後あるいは5%前後の増配を繰り返しています。コカコーラの2012年の減配は株式分割によるものです。インテル(INTC)も2社には及ばないものの徐々に配当を増やしています。PFFは年毎の配当の上下が大きく、増えたり減ったりを繰り返していて、徐々に上がっているとはいえません。この間株価自体も安定しているとはいえ徐々に下げており、アルトリアなどと比較すると長期投資の対象とはしずらい気がします。
アルトリア・グループ(MO)の配当に違いがありますが、連続増配株の一覧は四半期配当0.84を1年分に換算したもの。保有株の増配状況は2019年にもらった実績ベース(2019年の途中で増配実施)の合計になっているためです。分かりにくくて申し訳ないです。
まとめ
以前PFFの割合をこれ以上増やさないということを書きました。理由はPFFは配当が成長するという点が欠けていると考えるためです。もちろん保有する優先株式などでより良い条件のものが増えればないことはないでしょう。ですが現時点でも高配当ですし、企業以上に成長することはないと思っています。PFFは値動きも債券に近いといわれます。債券に近いものであれば、長期リターンは債券<株式となりますのでやはり大量保有の判断は出来ません。これがPFFの割合を抑えている理由です。逆に毎月一定額の配当がもらいたい場合(たとえば老後)であれば割合を増やすことも考えられますが。
これらから長期にわたって継続して利益を上げ、株価と一緒に配当も増やしてくれる企業の株を積み上げていきたいと思っています。
どの企業が該当するのかそれが一番問題です!
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