[ABBV]高配当企業Abbvie、ボテックスを買う

アメリカ株 配当 投資 投資全般
この記事は約4分で読めます。

さてここ最近の下げで魅力的になりすぎているAbbvie(ABBV)が6月に発表したアラガン買収と世界一売れているヒュミラ特許切れへの対応のお話です。

Arek Socha(Pixabay

Abbvie、6.7兆円でアラガンを買収

6月24日Abbvie、約630億ドル(約6兆7600億円)でアイルランドのアラガンを買収すると発表しました。二社合わせた売上高は480億ドル(5兆1570億円)となり、世界第4位か5位に浮上することになります。ブロックバスターである抗TNF-α抗体「ヒュミラ」の特許が切れるリスクに直面しており、商品ラインナップの拡充が課題となっていました。
買収するアラガンは、美容系のしわ取り薬「ボトックス」で有名で、眼疾患領域にも強みがあります。1月にブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が約8兆円で米セルジーンを買収する発表をしたりと製薬会社の買収規模はでかいです。なおアラガンは、2015年におよそ1500億ドル(18兆円)とも言われる価格でPfizer(PFE)が買収を仕掛けていました。こちらは税率の低いアイルランドが本社であるアラガンを買収することで本社を移す節税目的と米国政府から目を付けられ破談となっていました。買収ターゲットとして人気なのでしょうか。なおAbbvieの本社は買収後もアメリカのままということです。

Abbvie、アラガン買収では失敗か?

当たり前ですが、今回の買収によってヒュミラの特許切れがなくなるわけでは決してありません。今回の買収の市場評価は発表後株価が大きく下がったことから考えるとぶっちゃけ低いです。決して好感されていません。でも私は好きなタイプです。たぶん私が間違っているのでしょう(笑)

今回の買収を個人的に好感した理由ですが、ほぼヒュミラだけで大きくなったAbbvieが、商品拡充のため比較的尖ったアラガンを買収するのは薄く広く手がける製薬会社を買収するよりもその後の研究開発なども考えるといい買い物と思えるからです。ヒュミラに代表されますが、バイオ医薬品と言われる高分子薬の開発には数百億円から一千億円かかると言われており、選択と集中が大切だと感じるからです。もうひとつはヒュミラという絶対的な商品とボテックスというこれまた超有名商品を持つことでそれ以外の商品販売にもプラスに働くのではないかと思うからです。領域の違う分野でトップの商品が複数あると安心感も違うかなと。

パイプラインについては、アラガンが強みを持つ、美容医療、眼疾患、中枢神経系疾患、消化器疾患がAbbvieのパイプラインに加わることで新薬の販売が活性化すると思います。すでに販売間近の商品もいくつかあると言われます。
注目はatogepantとubrogepantという偏頭痛薬です。

アラガンは片頭痛領域の第一人者で、慢性片頭痛の予防薬としてボトックスが承認されている。ほかにも、2種類の経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬が後期開発段階にある。このうち、ubrogepantは片頭痛の急性期治療薬として申請中で、atogepantは片頭痛予防薬としてP3試験が行われています。

この2つの薬剤は、18年にスイス・ノバルティス/米アムジェン、米イーライリリー、イスラエル・テバから発売された3つの抗CGRP抗体とともに、市場拡大を牽引する。atogepantとubrogepantはいずれも経口剤で、片頭痛患者にとって利便性の高い選択肢になるだろう。ディシジョン・リソーシズ・グループは、アラガンの片頭痛治療薬の売り上げが27年までにアメリカで25億ドルを超えると予測しており、

https://answers.ten-navi.com より引用

25億ドルってことは、10億ドルといわれるブロックバスターの基準を超える予想になりますね。
それ以外にも神経疾患領域でのボテックスとアルツハイマー病に対するNamzaricを軸に販売拡充が期待でき、眼疾患領域でもRestasisで成功(2019年で特許切れ)しており、2020年には新薬の販売が期待されています。

[まとめ]高配当を貰いつつ、気長にみていきたい

当たれば大きい製薬業界だけにいかに上手に夢を語れるかみたいなところがありますが、1年程度配当を頂きながら、夢を見てみたいと考えています。
私の場合は、ポートフォリオ全体に占めるヘルスケアセクターの割合が低いこともあり、当面はチャンスを見て買い増しかな。

バイオ医薬品はこちら→

コメント

タイトルとURLをコピーしました