保有銘柄のニュースは定期的に追いかけています。ですが悪いニュースはあまり気が進まないものです。はい、インテル株のお話です。
株価が急落していることにも関係しますが、第二四半期の決算発表がイマイチ、アップルに切られる、AMDチップの猛追(というか能力的には抜かれていますね)といいとこ無しです。
そこで今日はインテルのトラブルを整理、ホルダーとしてどうするか考えてみました。結論としてはちょっと売却したい気持ちもありますが、保有期間は永久ともいうバフェット様を信じて買い増しはしないもののホールドの方向です。
Intelの抱える問題
Intelは製造業です。ハイテク企業ではありますが、マイクロソフトやグーグルといった企業に比べると旧来型の事業構造と言えます。そんなIntelの強みの一つが最先端のFabでした。これが揺らいでいるのは以前から懸念している通りです。製造プロセスの微細化により、ウェハーあたりに取れるチップ数が増え、性能向上にも寄与するわけですがら重要です。で、ここをTSMCにぶち抜かれてます。この製造プロセスの停滞が問題のひとつ。そしてもう一つが現行CPUのパフォーマンスです。
CPUのパフォーマンスはアーキテクチャに依存します。製造プロセスも関連しますが、決定的となるのはアーキテクチャです。これが酷かった結果、アップルに切られることになりました。もちろんアップルには私も使っているiphoneという強力な製品サービスがあるため、これにシームレスに統合していく側面もあるのでしょう。しかしMacのチップを内製する理由としては弱いと思っていて、インテルチップに魅力がなかったと言えます。
インテルは数年前から新たなアーキテクチャのため、外部から人を入れていました。有名どこですと、Jim Keller氏です。個人的にもこの人が関わるチップが出るまでホールドのつもりでしたが、なんと一身上の都合により退職です……。
在籍期間は2年程度ですので、どうなんでしょうね。出来てないですよね。それとも天才ケラーならば出来るのでしょうか。半年はインテルとコンサルタント契約が残るようです。実際のところは分かりませんが、さらにもう1人技術分野のトップがインテルを去っています。残ったのはラジャ氏だけですね。半導体設計の世界では1人の天才が業界の勢力図を塗り替えてきました。ですから設計トップが離脱するということはインパクト大です。さらに人材流出のような問題がニュースになるということはインテル内部は結構酷いことになってる可能性もあります。もしかしたら前CEOが辞めたところからずっと混乱が続いていたのかもしれないです。これが日本企業であれば中はぐちゃぐちゃ間違いないと考えるのですが、あのインテルですからね。持ち直して欲しいです。
で、Keller氏がたった2年でどんな仕事をしたのかは分かりませんが、先日急遽インテルがArchitecture Day 2020を開催しました。最近裏切られまくっていますが、それでもいくつか期待できるものもありました。
既存プロセスのてこ入れですね。時間稼ぎくらいにはなって欲しいです。
そしてこの二つにはちょっとだけ期待したいと思っています。インテルにもいくつか注目すべき新技術というのは出ています。3Dパッケージングとかです。
新技術がないわけではないのですが、チップメーカーとして重要と思うのは製造プロセスとアーキテクチャです。ここで結果を出す、あるいは少なくとも明るい未来を提示出来ないと正直厳しいといわざるを得ません。
売却する?買い増す?
現在のPERが一桁です。ハイテクとしては破格ですが、食指は動きません。インテル株を全て売却して、別銘柄に乗り換えることも考えましたが、税金払うのは正直言って嫌です。
初めて購入してから10年以上が経ちました。10年経ってもまだドキドキさせてくれるインテル(笑)もうしばらく付き合うことになりそうです。何ていうんでしょう、腐れ縁、なのかな。
それでも一部売却くらいの可能性はゼロではないので、放置することなく追いかけていきます。
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